Timez Interview
クリエイターやアーティスト、CEOなど、何かに没頭している人、夢中になっている人をインタビューしていく企画【Timezインタビュー】。彼ら、彼女らは、なぜそれに没頭し、何を得たのか。成功や失敗を語ってもらった。
時代とともに、需要は変わる。その流れをどう掴むかは、センスと行動力、そして強い想いに現れるのではないでしょうか。その時流にうまく乗れたとしても、さらに時代は変化していきます。企業が長く続けば続くほど、ここからが勝負であることも多いと思います。
そんな時代を駆け抜けてきた、インターネット&シルバーアクセサリー事業を展開する、株式会社ドアズ CEO 戸田克己さんのお話を伺いました。
今回、お話を伺った方
➤株式会社ドアズ CEO 戸田克己さん
1997年に神戸にて脱サラして起業。Webサイトの構築をメインに行うインターネット事業部とシルバーアクセサリーの製造販売を行うアクセサリー事業部という、デジタルとアナログの2つの事業部を持つ、ちょっと珍しい企業です。「ドアズに関わる全ての人をハッピーに!」を経営理念とし、社員・お客様・取引先・地域の人々をハッピーにしたいと奮闘中!
人生何が起こるかわからない
ー何故ドアズをはじめたのでしょうか?
学生時代から学業よりバイトに精を出す毎日。当時からいつかは独立して自分でなにかやりたいという思いがありました。研究室の教授から「独立してもいいと思うが就職して社会を見てからでもいいのではないか」というアドバイスに従い、5年で卒業し無事に外資系の体外診断用医薬品会社に就職しました。なんにでもすぐに順応してしまう性格が良いのか悪いのか・・・技術営業から本社の学術部、企画部とステップアップしていきました。
そしてサラリーマン生活13年目の1995年1月、阪神淡路大震災がおこりました。それからは毎日ヘルメットをかぶって本社の立て直しに頑張りました。回復の目処が立った1年後、少し冷静になって人生を考えた時、志半ばで亡くなった多くの方のことを思い、「人生何が起こるかわからない。自分がやりたかったことをやり残してはいけない!」と思ったのです。
とにかく起業して社長になるぞと決めたのですが、何をやるのかは全くの白紙状態でしたので、それから何のビジネスをするかを模索し始めたような状況でした。自分が趣味にしていた彫金をやって、シルバーアクセサリーを作って売ろうと思いましたが、当時はまだインターネット通販などというものは無く、店舗を構えて売るしかなかったのですが、資金が全く足りませんでした。
名古屋でグラフィックデザインをやっていた知り合いが、ホームページ制作をビジネスにするということを聞き、頭に落雷が落ちたような衝撃が走りました。「これはまさに自分に与えられたビジネスだ!」とその瞬間にWeb制作会社で起業することを決めました。
成功と失敗
ードアズに没頭して、良かったことやその逆はありますか?
37歳だった当時、自分としては心技体、すなわち気力・知力や技術・体力の一番バランスが取れたいいタイミングでの起業だったと思います。無かったのは財力だけ(笑)。
ホームページの制作は、まさに黎明期にあり、創業してからの5年くらいは、どんどん仕事が増えていきまさに仕事漬けでした。1999年には、最初にやりたかったシルバーアクセサリーの製造販売や彫金教室も事業として開始しました。
ビジネスに関しては自分たちが新しい領域を切り開いているという実感もありましたし、まだまだ若かったので遊びや業界団体の活動なども全開でやってました。業界や中小企業経営者としても人脈が広がり、サラリーマン時代とは比較にならないほど視野が拡がりました。
成長期はイケイケでしたが、これを自分の実力であると勘違いしたことが大きな失敗でした。2008年のリーマンショック以降は厳しい経営環境が続いています。やはり社員とともに歩む謙虚な経営をしなければ、永く続けていける会社には出来ません。また個人的な失敗から学んだことは、家庭を守るために頑張っているから好き勝手していいというわけではないということです。会社も家庭もハッピーにできなければ、経営をしている意味は無いと思います。
また経営者なのでサラリーマンと比べると自由ですが、企業には人や金の問題が必ずつきまといます。そこから逃れることは出来ないというプレッシャーは経営者でなければわからないでしょうね。
次のドアを開ける
ー今後チャレンジしたいことを教えてください。
労働集約型のビジネスであるWeb制作は、規模を大きくするリスクが高いため、現在はアクセサリーの事業を強化して行きます。
国内では、アクセサリー事業をいろいろなジャンルとの融合にチャレンジしていきます。例えばミュージシャンやゴルフ、社章やピンバッジなど企業向けアクセサリーなどです。
また以前から海外に打って出たいという思いはありましたので、自分たちのシルバーアクセサリーDAgDARTとその作品を、世界ブランドにするために、海外進出にチャレンジしていきます。
ーありがとうございました。スーツにハットという、なかなか日本人では着こなせないスタイルが似合っていて、かっこいい!と思ったのが第一印象でした。「人生何が起こるかわからない。自分がやりたかったことをやり残してはいけない!」という言葉に学び、私たちもどんどんやりたいことをやっていかなければ!と背中を押していただいた気がします。海外へ出て世界ブランドになるというチャレンジ、応援しています!Timez編集部
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